2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳機能不全治療薬を指向した新規セロトニン誘導体の合成とアルカロイド合成への応用
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16790081
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山田 康司 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (80272962)
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Keywords | セロトニン / アゼピノ[5,4,3-cd]インドール / アルデヒド / 環化反応 / Schiff塩基 |
Research Abstract |
これまでの研究において,セロトニンを塩基性条件下に各種アルデヒドと反応すると,新規な3,4,5,6-テトラヒドロ-7-ヒドロキシ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール化合物群(THAI)を与える事を発見し,生体内でも同様な反応が起こり生合成される本化合物が,生理作用の発現または脳神経疾患と関わっている可能性を見出した.この解明および新規薬理活性探索に必要な薬理試験サンプルを供するために,本環化反応の一般化を図りながら多種多様なTHAI誘導体の合成を行った. 前年の研究において,直鎖アルデヒドとNb直鎖アルキルセロトニンとの閉環反応がメタノール中トリエチルアミン塩基性条件下で容易に進行しTHAI誘導体を高収率にて与えることがわかった.そこで立体的にかさ高いベンズアルデヒドおよび分岐鎖のイソブチルアルデヒドとNbペンチルセロトニンの反応を行った結果,長時間の加熱を要し副生成物を与えたものの目的の閉環体を収率86%,49%で得ることが出来た。さらに用いる塩基をDABCOにかえたところ副反応を抑える事ができ原料回収以外にTHAIのみを与えた.アルデヒドのかさ高さが環化反応において重要な要因であり,また本反応においてDABCOが副反応を抑える最適な塩基である事がわかった. 一方,飲酒の際に生成すると考えている6-メチル体(THMAI)の合成は,これまで高希釈条件を必要としスケールそして収率に問題を残していた.そこで別法の開拓に取り組み,Nbベンジルセロトニンとアセトアルデヒドとの縮合環化後,接触還元にて脱ベンジル化することで原料のセロトニンから3工程,通算収率45%による合成法の確立に成功した.THMAIのアシル化は良好に進行しジアシル化THMAIを高収率にて得る事が出来た.Nb置換基の導入が環化後に可能となり,更なる誘導体合成への道が開けた.
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