2004 Fiscal Year Annual Research Report
ブチルヒドロキシトルエンのTh1およびTh2免疫応答のバランスに与える影響
Project/Area Number |
16790094
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
八巻 耕也 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (00351768)
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Keywords | ブチルヒドロキシトルエン / Th1 / Th2免疫応答 / 食品添加物 / 抗体 / サイトカイン / マウス |
Research Abstract |
ディーゼル排気微粒子中に含まれる環境因子であり、医薬品・食品添加物としても用いられるブチルヒドロキシトルエンがTh1およびTh2免疫反応に与える影響についてマウスモデルを用いて解析を行っている。予備実験では、day 0に卵白アルブミンで免疫したマウスに50μgのブチルヒドロキシトルエンをday 0からday 20まで21日間投与することにより、day 21における血清中の卵白アルブミン特異的IgG、IgG2a、IgG1の産生が増強される結果を得ていた。しかし、予備実験と同様の方法で、ブチルヒドロキシトルエンの濃度のみを0.5、5、50μgと変更して検討を行ったところ、50μgのブチルヒドロキシトルエンにおいても免疫増強作用が認められなかった。そのため、同一の条件で再検討を行うとともに、増強効果が明確に現れる投与条件の探索を行っている。 また、Th2反応に依存して誘導されるI型アレルギー反応のin vitroモデルである肥満細胞株RBL2H3のIgE刺激による脱顆粒反応に対するブチルヒドロキシトルエンの作用についても検討を行っている。ブチルヒドロキシトルエンはIgEで感作されたRBL2H3の抗原刺激による脱顆粒反応を濃度依存的に増加させた。ブチルヒドロキシトルエンがIgEで感作されたRBL2H3の抗原刺激による細胞内カルシウム濃度の上昇を速く、また大きくしたことから、ブチルヒドロキシトルエンの脱顆粒反応促進作用には、細胞内カルシウム濃度の上昇促進作用が関与している可能性が考えられた。今後はin vivoのIgE依存性のアレルギー反応に対するブチルヒドロキシトルエンの効果について検討する予定である。
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