2004 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン分泌促進薬投与におけるチトクロームP450遺伝多型の臨床的意義の解明
Project/Area Number |
16790104
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
内田 信也 国立大学法人浜松医科大学, 医学部, 助手 (80372522)
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Keywords | 遺伝子多型 / チトクロームP450 / 薬物動態 / 臨床効果 / 経口インスリン分泌促進薬 / 2型糖尿病 |
Research Abstract |
本研究では薬物代謝酵素CYP2C9の遺伝子多型が経口インスリン分泌促進薬の体内動態と臨床効果・副作用に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。本年度における研究実績は以下のとおりである。なお本研究プロトコールは浜松医科大学倫理委員会の承認を受けた。(1)経口インスリン分泌促進薬の定量法の確立:tolbutamideおよびnateglinideはHPLC-UV法、gliclazide, glimepiride, glibenclamideはLC/MS/MS法による定量法を確立した。(2)経口インスリン分泌促進薬を服用中の2型糖尿病患者の本研究へのエントリー:内分泌代謝科の医師と共同で対象患者よりインフォームドコンセントを取得中である。(3)健常人におけるCYP2C9遺伝子多型とnateglinideの薬物動態と臨床効果:CYP2C9*1/*3を有する被験者ではCYP2C9*1/*1群に比べnateglinideのAUCは1.2倍有意に高値を示した。一方75gブドウ糖負荷試験後におけるnateglinideのインスリン分泌作用と血糖降下作用には遺伝子型間で有意な差異は認められなかった。(4)2型糖尿病患者におけるCYP2C9遺伝子多型とnateglinideの薬物動態と臨床効果:対象患者15名より文書同意を取得し採血を行った結果、1名にCYP2C9*1/*3が認められた。CYP2C9*1/*3患者における血漿中nateglinide濃度のAUCはCYP2C9*1/*1群に比べ64.9%高値であった。さらにnateglinideの14日間投与によりAUC(PG)は、CYP2C9*1/*1群及びCYP2C9*1/*3患者でそれぞれ11.8%及び19.6%減少した。一方AUC(IRI)はそれぞれ41.9%及び40.9%増加した。
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