2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノベクター標的化による新生血管選択的遺伝子発現法の開発とそのがん治療への応用
Project/Area Number |
16790105
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石田 竜弘 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (50325271)
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Keywords | 遺伝子治療 / リポソーム / DDS / 遺伝子デリバリー / がん治療 / がん新生血管 |
Research Abstract |
カチオニック・ナノベクター(TFL-3)を用い、このベクターがin vitroにおいて種々の腫瘍細胞に対して極めて高い外来遺伝子導入効率を示すことを既に明らかにしている。TFL-3の生体への効果を検証するため、肺転移性メラノーマ(B16BL6)を移植したマウスにi.v.投与したところ、肺で顕著に高い遺伝子発現が観察された。カチオニック・ナノベクターは負電荷を帯びた血管内皮に選択的に結合することが知られており、観察された遺伝子発現は癌巣ではなく新生血管において生じている可能性が極めて高い。 そこで、B16BL6細胞移植マウスにGFP(緑色)遺伝子を組み込んだ遺伝子を封入したTFL-3をi.v.投与し、その発現を蛍光顕微鏡下histopathologicalな評価により確認した。その結果、肺微小血管系にそって緑色のGFPの発現が確認された。さらに、血管内皮での発現であるかについて、血管内皮に結合するlectin(ローダミン(赤色)ラベル)とのco-localization(黄色)が成立しているかで評価したところ、一部でco-localization(黄色)していることも確認された。しかしながら、鏡験に供する試料作成法が不安定であるため、遺伝子発現部位を厳密に特定するには至っていない。今後、真に新生血管での発現であるかについて、新生血管特異マーカー(VEGF受容体、MMP)に対する抗体、または細胞増殖をBrdUを取り込ませ抗BrdU抗体を用いて組織染色することで評価する予定である。
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