2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790111
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
伊藤 清美 星薬科大学, 薬動学教室, 助教授 (60232435)
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Keywords | 薬物間相互作用 / 薬物代謝 / 肝臓 |
Research Abstract |
薬物代謝酵素が併用薬によって可逆的に阻害されるとき、基質となる薬物がその酵素による代謝のみで消失すると仮定すると、その薬物の血中濃度-時間曲線下面積(AUC)の上昇率は、酵素の阻害定数(Ki値)と阻害剤(併用薬)の濃度とから見積もることができる。この阻害剤の濃度として循環血中濃度のみを用いると、多くの場合においてAUC上昇率は過小評価され、経口投与後初期に消化管から肝臓に流入する濃度を考慮する必要があることがデータベース解析により明らかとなった。CYP3A4,CYP2D6あるいはCYP2C9の阻害が関与する193例のin vivo相互作用報告を文献調査し、それぞれ4種類の阻害剤濃度を用いて[I]/Ki値を算出した。基質となる薬物のAUC上昇率の報告値を算出された[I]/Ki値に対してプロットすることにより、予測の精度について検討した。その結果、[I]として繰り返し投与後の平均循環血中濃度を用いた場合と比較すると、平均循環血中非結合型濃度を用いた場合では全ての点が左側にシフトし、相互作用が生じるのに生じないと予測してしまうfalse negativeな予測が非常に多く認められた。一方、肝臓入口における最大濃度([I]in)を用いた場合にはほとんど全ての点が理論曲線(AUC上昇率=1+[I]/Ki)の右側にプロットされ、相互作用ありと予測された。また、このプロットにおいて曲線より上側の点は、ほとんど全てがmechanism-based inhibitionと呼ばれる不可逆的阻害に基づく相互作用であり、それらを除外すると、[I]inを用いることによりfalse positiveな予測は多く生じるものの、false negativeな予測は避けられることが示された。
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Research Products
(6 results)