2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790116
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
吉田 都 福岡大学, 薬学部, 助手 (20369028)
|
Keywords | 神経因性疼痛 / 日周リズム / 時間治療 / mRNA / タンパク |
Research Abstract |
神経因性疼痛モデルマウス(Selzer model)を作製した。8-0絹糸にてマウスの坐骨神経を半周結さつすることにより作製した。その後、paw flick testにより、痛覚過敏の程度を評価した。施術後、9:00にpaw flick testにより、痛覚過敏の程度を測定したところ、施術3日目より、痛覚過敏になり、施術21日まで症状が持続した。これらの結果から、施術後14日目に疼痛閾値の検討を行うことにした。 次に神経因性疼痛モデルマウスの疼痛閾値の日内変動の検討を行った。Intactのマウスの疼痛閾値には休息期である明期に低値を示し、活動期である暗期に高値を示すという有意な日周リズムが認められた。一方、神経因性疼痛モデルマウスの疼痛閾値には休息期である明期に低値を示し、活動期である暗期に高値を示すという日周リズムが認められたが、その振幅は小さくなっていた。この現象のメカニズムについては現在検討中である。マウスの脊髄からRNAを抽出し、神経栄養因子の一つであるGDNF(グリア細胞由来神経栄養因子)のmRNAの発現を検討したところ、マウスの疼痛閾値と対応した日周リズムが認められたことから神経因性疼痛モデルマウスの疼痛閾値の日内変動にGDNFが関与していることが示唆された。今後、神経因性疼痛の日内変動にGDNFが関与するメカニズムを詳細に検討していく予定である。 古来から疼痛治療に用いられている生薬や西洋ハーブの中から数種の天然物を選び、エキスを作製した。細胞もしくは動物実験にてGDNFの発現に影響を及ぼすエキスを選出し、そこから化合物の同定を行っている。最終的には、神経因性疼痛モデルマウスを用いてGDNFの発現をリズムマーカーとする至適投薬タイミングの設計の必要性の検討を行う予定である。
|