2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790121
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
福島 菜奈恵 信州大学, 医学部, 助手 (90334888)
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Keywords | 哺乳 / 新生児ラット / 舌下神経 / 神経切除 |
Research Abstract |
舌下神経の切除実験 これまでの研究で、新生児ラットの神経切除実験の結果、哺乳に関与すると考えられてきた顔面神経(口輪筋、頬筋を支配)は生存に必須ではないことが確認された。そこで、次に重要と考えられる舌下神経(舌筋を支配)の切除実験を行い、舌下神経が生存に必須か必須ではないかを調べた。P1の新生児ラットを冷凍麻酔後、手術用顕微鏡下で舌下神経本幹・内側枝・外側枝を切除(対照群、片側切除群、両側切除群を作成)し、母ラットへ戻して生育させた。その結果、舌下神経本幹・内側枝・外側枝の両側切除群は哺乳することができず、全例数日後に死亡した。片側切除群では、生存可能なものと不可能なものに分かれ、切除部によりその生存率は大きく異なった(本幹:38%;内側枝:24%;外側枝:92%)。また、生存例においても、本幹・内側枝切除群は対照群に比べ明らかに体重が少なく、哺乳が障害されていることが推測され、舌下神経(特に内側枝)は生存に必須であるとの結論を得た。 哺乳力の評価(哺乳量測定)方法の確立 今後哺乳に関与する神経を調べる上で、神経の哺乳に与える影響の程度を詳しく評価することが必要である。そこで、正常ラットにおいて、単位時間あたりの哺乳量を測定する方法を確立した。実験はP1、P4、P7、P14で行い、授乳前に腹部圧迫と外陰部刺激により十分に排泄させてから、1時間授乳させて哺乳量(体重増加量)を測定した。1日に2回測定を行い、平均値をその動物の哺乳量とした。一定の非授乳時間(2時間、4時間、6時間)を設定した結果、安定した哺乳量を得ることができるようになった。ラットの哺乳量は成長するにつれて増加し、また、どの時期のラットでも、非授乳時間が長いほど哺乳量も増加する傾向を示した。この方法によって、正常状態並びに病的状態における哺乳量の客観的評価が可能になった。
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