2004 Fiscal Year Annual Research Report
ストレスによる攻撃行動および性行動に対する影響におけるエストロゲン受容体βの役割
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16790145
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
野村 昌良 産業医科大学, 医学部, 助手 (80369066)
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Keywords | エストロゲン受容体 / 攻撃行動 / 性行動 / 視床下部-下垂体-副腎系 / アンドロゲン受容体 / ストレス |
Research Abstract |
本研究において我々はβERKOマウスに軽微な精神的なストレス(他のマウスと15分間対面させる)を与えたときに引き起こされる攻撃行動に対するERβの役割を調べた。その結果、wild-typeマウスでは対面によるストレス後に引き起こされる攻撃行動の増加は軽度であるのに対して、ER-βの欠如したマウスはストレス後に攻撃行動が著名に増加することが明らかになった。また対面させたマウスに対してsniffing(においをかぐ行動)などを行いcontactする時間がwild-typeと比べて有意に増加した。このことはER-β遺伝子がストレス後に引き起こされる攻撃行動および相手への興味に対して抑制的な役割を行っていること示すものである。またこれらのER-βを欠如したマウスにおいて行動変容の脳内メカニズムを明らかにするために、組織学的手法を用いてさらに解析を行った。すなわち、攻撃行動に関与する部位において神経細胞の活性化を示す遺伝子(c-fos)発現のレベルを合成オリゴヌクレオチドプローブを用いたin situ hybridization法を用いて明らかにした。その結果として、雄の性行動の最も重要な部位である視床下部の視索前野および分界状床核において精神的なストレス後に引き起こされるc-fos遺伝子の発現はwild-typeマウスに比べ、ER-βの欠如したマウスにおいて有意に上昇した。このことはER-βの欠如により精神的なストレスにより引き起こされる神経細胞の活性化の程度の調節にER-βが関与することを示唆するものである。以上をまとめるとER-βは脳内神経回路の活性化の程度を調節することにより、精神的ストレスにより引き起こされる攻撃行動レベルを調節していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)