2004 Fiscal Year Annual Research Report
心臓自動能におけるリアノジン受容体とその結合タンパクの機能の解明
Project/Area Number |
16790150
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
増宮 晴子 東北大学, 大学院・医学研究科, COEフェロー (30286744)
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Keywords | 心臓 / リアノジン受容体 / 自動能 / イオンチャネル / 細胞内小胞体 |
Research Abstract |
心臓の自動拍動やその収縮には細胞内Ca^<2+>動態が重要な役割を果たす。この自動拍動には細胞表層膜の電位依存性Ca^<2+>チャネル(L型、T型)や細胞内小胞体に存在するリアノジン受容体(RYR)が関与している。今年度は(1)マウス自動拍動にRYRが関与し、3つ存在するRYR isoformのうち3型RYRが特殊伝導心筋に特異的に発現していることの報告(FEBS Lett.2003)、(2)心臓自動能に関する研究の一環として、ペースメーカ領域の活動電位波形に対する薬物の作用(T型Ca^<2+>チャネル抑制薬etc.)などの報告を行った(Biol Pharm Bull. 2004,J PharmacolSci.2004)。 本研究課題の中心である心臓自動能におけるRYRとその結合タンパクの役割を検討するためには、特異的干渉RNA(siRNA)やアンチセンスoligoを用いた実験系の確立が必要と考えた。そこで今年度は培養細胞を用いた系で心筋のイオンチャネルのノックダウンについて検討した。イオンチャネルのノックダウンの指標には、mRNAやタンパクレベルと共に電気生理学的手法も用いた。現在までにイオンチャネルによってはsiRNAではなくアンチセンスoligo法で十分に、また選択的にその機能がノックダウンできる事が確認できている。 また今年度は、細胞内小胞体に存在する新規タンパク質に関する実験も同時に行った。現在、RYRと新規タンパク質との直接の結合の有無や作用は不明である。しかし、この新規タンパク質ノックアウトマウスでは心電図測定で不整脈(異常自動能)の誘発や、単離心室筋細胞の細胞内Ca^<2+>動態の異常が観察された。よって、この新規タンパク質は細胞内Ca^<2+>動態に影響を与えるものと示唆され、その機能や役割を明らかにしていきたいと考えている。
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