2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790153
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
入江 康至 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70303948)
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Keywords | 脱ニトロ化酵素 / ヒストンH1.2 / ニトロチロジン / 蛍光アッセイ |
Research Abstract |
1)脱ニトロ化酵素精製のためのアッセイ系確立:脱ニトロ化酵素の特異的基質であるヒストンH1.2は分子中にチロジン残基を一個だけ持つ。この近傍のアミノ酸配列からなる合成ペプチドを基質として、蛍光プレートリーダーを用いて脱ニトロ化活性を測定するためのアッセイ系を組んだ。ABZ(Aminobenzoyl group)とニトロチロジン残基をもつ基質ペプチドと、両者を持たないがアミノ酸配列が同じ競合ペプチドを合成した。両者の濃度比を振ってマウス肝臓抽出液を用いた蛍光アッセイを行ったところ、競合ペプチドによって抑制されない脱ニトロ活性が認められた。競合ペプチドが基質ペプチドの100倍以上存在するときに、蛍光アッセイで測定される活性は、ほぼ脱ニトロ化活性だけであると考えられた。 2)種々の臓器における脱ニトロ化活性の測定:マウスの種々の臓器の抽出液について、競合ペプチドの存在下、非存在下でアッセイを行った。肝臓抽出液が最も高い活性を持っていることがわかった。 3)脱ニトロ化活性の特牲:脱ニトロ化活性の特性を検討するため、肝臓抽出液に種々の操作を行って活性を測定した。この結果、EDTA存在下、脱塩カラム処理、透析では活性は失われないが、煮沸、トリプシン処理では活性が失われ、また、限外濾過では30kDa以上の分画に活性が認められた。これらのことから、脱ニトロ化活性の本体は蛋白質であることが示唆された。また、種々の塩濃度、pHの条件下で脱ニトロ化活性を測定したところ、NaCl150mM, pH=7.5という生理的条件下で最も活性が高かった。 4)硫安沈殿による分画化:最終濃度40-60%飽和硫安溶液による、マウス肝臓抽出液の分画化を行い、脱ニトロ化活性を測定した。45%飽和硫安溶液では、活性が上清画分に存在したが、60%飽和硫安溶液ではほぼ完全に沈殿画分に移行した。
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