2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規膜挿入型CaMキナーゼCLICK‐III/CaMKIγの神経機能解析
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16790162
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹本 さやか (木村 さやか) 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70372365)
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Keywords | CLICK-III / CaMKIγ / CaMキナーゼ / 脂質修飾 / プレニル化 / パルミトイル化 / ラフト |
Research Abstract |
本研究は、CaMKIファミリーに属する神経細胞特異的なCaMキナーゼ、CLICK-III/CaMKIγの、神経機能解明ならびにその分子機構の理解を目的とする。 既に、研究代表者らは、脂質修飾の一種であるプレニル化によって、本酵素が膜アンカーされることを見出していたため、平成17年度は脂質修飾の詳細検討ならびにその生物学的意義についての研究を進めた。 まず、生化学的手法により、CLICK-IIIはプレニル化のみでなく、別種の脂質修飾である、パルミトイル化をも受けることを見出し、本酵素における脂質修飾の多様性を明らかにした。CLICK-IIIのアミノ酸配列中には、パルミトイル化を受ける候補となるシステイン残基が、複数箇所存在するため、それぞれのシステイン残基に変異を導入し、各変異体のパルミトイル化を調べ、パルミトイル化に必須なアミノ酸残基を同定した。また、一番パルミトイル化の程度が低かった変異体を、パルミトイル化欠失変異体として後の研究に用いた。 次に、これらの脂質修飾と細胞内局在との関連について検討した。既に作成済みである、プレニル化欠失変異体ならびに、上記パルミトイル化欠失変異体を用い、複数の脂質修飾によって、どのようにCLICK-IIIの細胞内局在が制御されているのか、細胞生物学的手法により調べた。その結果、CLICK-IIIが、様々なシグナリング分子が集積するLipid-micro domain、ラフトへ、存在していることを明らかとし、脂質修飾のうち特にパルミトイル化が、このラフトへの局在化に必須であることを見出した。 以上の研究成果は、今年度開催された、日本生化学会(生化学76,900:3P136(W35-11))、米国神経科学会(Soc.Neurosci.Abstr.30:498.9)にて発表した。
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Research Products
(1 results)