2004 Fiscal Year Annual Research Report
RNAスプライシング因子SF3a66による微小管制御機構の解明
Project/Area Number |
16790163
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹中 圭 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80372423)
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Keywords | SF3a66 / 微小管 / 微小管束化 / 高分子量複合体 / 神経突起形成 |
Research Abstract |
RNAスプライシング因子SF3a複合体はメッセンジャーRNAのスプライシングに関わるU2snRNPの必須な構成因子の一つであり、分子量が60KDa、66KDa、120KDaの3つのサブユニットからなっている。申請者は以前、このサブユニットの一つSF3a66が神経芽細胞腫、N1E115細胞において単独で神経突起形成を誘導することを見出した。また、SF3a66の網羅的な結合タンパク質探索から、SF3a66がβ-チューブリンと、そしてチューブリンの重合体である微小管と高い親和性をもって結合することを明らかにした。さらにN1E115細胞におけるSF3a66の神経突起形成の誘導には微小管との結合が重要であることを示唆する知見も得た。これらの知見はSF3a66がスプライシング因子としての役割のみならず、微小管を制御する全く新しい役割を担っている可能性を強く示唆していた。昨年度はこれらの知見を元にSF3a66の新規微小管制御因子としての機能を明らかにすることを試みた。まず、SF3a66がどのように微小管に作用しうるのかを蛍光ラベルした微小管と組み換え精製SF3a66でin vitroで検討した所、SF3a66には微小管を凝集させる傾向があった。この現象をさらに厳密に評価するため、電子顕微鏡を用いて詳しく調べた結果、SF3a66により微小管が束状になることが明らかになった。また、電子顕微鏡象からSF3a66が高分子量複合体を形成し、それらが微小管を架橋することで微小管の束化が誘導されることが示唆された。次ぎに実際にSF3a66が高分子量複合体を形成しうるのかを調べた所、主に3量体の集合と考えられる高分子量複合体を形成しうる可能性が示唆された。これらのことから、SF3a66がSF3a120やSF3a60とではなくそれ自身で3量体化し、その後、高分子量複合体となることで微小管を束化させる機能を持ちうるを明らかにした。
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Research Products
(1 results)