2005 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子Bach2遺伝子ノックアウトマウスを用いたB細胞活性化調節機構の解析
Project/Area Number |
16790171
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武藤 哲彦 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (80343292)
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Keywords | 免疫学 / 発現抑制 / Bach2 / AP-1 / ノックアウトマウス / B細胞 |
Research Abstract |
Bach2は、AP-1(Jun/Fos)関連転写因子で、血液細胞ではB細胞に限局して発現し、転写抑制因子として機能する。Bach2ノックアウトマウスを解析した結果、B細胞の活性化応答である抗体遺伝子のアイソタイプクラススイッチと体細胞突然変異に障害があることを見いだした。また、Bach2ノックアウトB細胞で遺伝子発現様式を検討した結果、形質細胞への分化に必須の転写因子Blimp-1の発現が亢進していることを見いだした。これらの結果を踏まえ、Bach2の解析からB細胞活性化応答の転写調節機構を解明することを本研究の目的とした。まず、Bach2ノックアウトB細胞の増殖応答を検討した。すると、Bach2ノックアウトB細胞は、B細胞受容体(BCR)として機能する膜型IgMを介した増殖刺激に応答しなかった。一方、B細胞増殖因子LPSには野生型B細胞と同等な増殖応答を示した。そこで、Bach2ノックアウト脾臓B細胞と野生型脾臓B細胞に対するLPS刺激実験をおこない、B細胞の分裂回数と形質細胞へ分化する細胞頻度の関係を比較した。その結果、Bach2ノックアウトB細胞は野生型B細胞に比べて少ない分裂回数で形質細胞へ分化することを明らかにした。以上の結果から、Bach2の生理機能の一端を明らかにした。すなわち、幼若な分化段階のB細胞において、Bach2はBlimp-1遺伝子の転写を抑制する。一方、抗原刺激によって成熟B細胞が形質細胞へ分化する過程では、Bach2によるBlimp-1遺伝子の転写抑制の解除が形質細胞分化の開始に重要であると考えられた。
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