2004 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素状態における遺伝子誘導に働くNADPH-P450還元酵素の役割
Project/Area Number |
16790175
|
Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
岡 真優子 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (40347498)
|
Keywords | Hypoxia / Hypoxia-inducible factor-1α / NADPH-P450 reductase / Heat shock protein 90 / Erythropoietin / Vascular endothelial arowth factor |
Research Abstract |
我々はチトクロームP450還元酵素(NPR)がガン細胞に多く発現し、hypoxia-inducible factor-1α(HIF-1α)の安定化・活性化に作用していることを初めて明らかにした(J. Biol. Chem.,277,23367-23373(2002))。しかしNPRの作用機構は不明であり、NPRがHIF-1αに及ぼす影響を明らかにすることが重要であると考えられるため研究を行ったのでこれまでの結果について報告する。 1)NPRは、コバルトではなくhypoxiaによるHIF-1α安定化にのみ作用することを明らかにしたが、独自の実験からフラボノイドのapigeninが双方の作用に対して阻害効果を示しHIF-1αを分解することが分かった。apigeninはNPRの下流に位置するシグナル伝達に作用していると考えられたので、apigeninの作用機構を明らかにすることがNPRのHIF-1αへの作用の解明へと繋がると判断し検討した。この結果、apigeninはHIF-1αとHSP90の相互作用に対して阻害効果を示すことによりHIF-1αの分解を促していることが示唆された(FEBS Letter,575,59-63(2004))。さらに、環境ホルモンとして知られるbisphenol Aにも同様の作用があることを明らかにした(BBRC,318,1006-1011(2004))。 2)次に、NPRと相互作用するタンパク質を明らかにするため免疫沈降法を用いた探索を行った。実験は、NPR発現プラスミドをlipofectionしてNPRを高発現するHep3B細胞をクローニングし、NPRと相互作用をするタンパク質XをNPR IgGで単離した。また、two-hybrid法により単離したNPRと相互作用するタンパク質として小胞体に存在するタンパク質を見つけた。今後、双方の方法で見つかったタンパク質の機能を明らかにしてNPRとの作用機構を解明する。
|