2004 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球の分化と癌化を制御する新規Ikaros複合体の探索
Project/Area Number |
16790184
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
真木 一茂 京都大学, ウイルス研究所, 講師 (10311424)
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Keywords | Ikaros / 転写因子 / 悪性リンパ腫 / リン酸化 / 細胞周期 / G1期停止 |
Research Abstract |
IkarosファミリーであるIkarosやAolosはがん抑制遺伝子と考えられ、IkarosヘテロマウスやAiolosノックアウトマウスでは悪性リンパ腫が発症する。しかしながら、Ikarosファミリーのがん化抑制機構についてはほとんど明らかになっていない。そこで我々はセリン・スレオニンのリン酸化に着目し、細胞周期制御におけるIkarosの役割について検討した。 まずIkarosのリン酸化について、リンパ球細胞を^<32>P-Orthophosphateにて標識し、二次元クロマトグラフィーを用いて解析した。その結果、Ikarosの63番目のセリン、ならびに385番目から394番目に存在する複数のセリン・スレオニンが強くリン酸化され、これらのセリン・スレオニンがCasein kinase IIによってリン酸化されることが明らかになった。また、細胞周期におけるIkarosのリン酸化状態の変化を解析したところ、G1期ではIkarosは非リン酸化型であるが、S期ならびにM期ではリン酸化型になることが判明した。つぎに変異Ikarosを用いて、Ikarosにおけるリン酸化の機能を調べたところ、非リン酸化型IkarosはG1期停止を引き起こし、Ikarosはリン酸化されるとDNA結合能を失うとともにG1期停止を誘導できないことが明らかになった。 以上のことから、Ikarosはセリン・スレオニンのリン酸化を介してG1期からS期への移行を制御し、G1チェックポイントにおいてリンパ球のがん化を抑制している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)