2004 Fiscal Year Annual Research Report
TMA‐IHC・FISH法を用いた脳腫瘍の新たな分類、有意な疾患群の抽出の試み
Project/Area Number |
16790201
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴原 純二 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60334380)
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Keywords | 脳腫瘍 / 組織マイクロアレイ / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
脳腫瘍症例の組織学的再評価:1980年から2002年の間に、東京大学医学部附属病院で外科切除された脳腫瘍につき、全HE染色標本を再検討し、WHO分類(2000年)に基づいた組織学的評価を行った。 組織マイクロアレイ作成:手術検体から適切な症例を抽出し、組織マイクロアレイを作成した。症例の選択基準は、(1)組織学的に評価し得る十分量の検体が提出されていること、(2)パラフィン包埋されたブロックに十分な厚さがあること、の2点に拠った。現時点で、膠腫(星細胞腫、乏突起細胞腫、上衣腫)約120例、膠芽腫約50例、髄芽腫約15例、髄膜種約30例からなる組織アレイを構築した。症例数をさらに増すため、現在も組織アレイを作成中。 免疫組織学的検討:癌関連蛋白や脳神経発生・分化の標識蛋白をはじめとする、各種蛋白の発現の検討を、各種抗体を用いた免疫組織学的検討を行い、以下の3点を明らかとした。 1.神経細胞標識抗体が高度に発現されている二次性膠芽腫が存在する。 2.リンパ管標識抗体であるD2-40抗体が、毛様細胞性星細胞腫、上衣腫、髄膜腫で高率に陽性である。 3.中皮腫を標識する蛋白の一部(Calretinin, Mesothelin, Podoplaninなど)が、髄膜腫で種々の程度に発現されている。
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