2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコバクターピロリ菌の胃所属リンパ節へのtranslocationの頻度と意義
Project/Area Number |
16790203
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小林 大輔 東京医科歯科大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (70361699)
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Keywords | Helicobacter pylori / translocation / リンパ節 |
Research Abstract |
本年度は、主に結果をまとめる上で必要となってきた項目について確認・検討を行った。 <胃以外の臓器における所属リンパ節の検討> 初期の検討にて、ピロリ菌が胃の所属リンパ節にほぼ特異的に存在することを確認していたが、胃以外の臓器を系統的に解析はしていなかった。今回は手術材料の非病変部を対象に、肝臓・胆道・膵臓・脾臓・大腸・肺を解析したとこち、胆道系からは少量ながらピロリ菌が検出された。まだ解析症例がいずれも少数であることから、それぞれ10症例以上の解析が必要と考える。 <電子顕微鏡による観察> これまでにfluorescence in situ hybridization(FISH)において、リンパ節内のマクロファージ内にピロリ菌の陽性像が確認されているが、ピロリ菌がマクロファージ内でどのような状態で存在するかは確認できていなかった。これを電子顕微鏡で直観察することによって確認することを試みた。5個のリンパ節を観察して、細胞内に菌体様の構造物を少数認めたが、ピロリ菌と同定することは難しかった。下記の免疫染色が可能になれば、免疫電顕により客観的に菌体を同定できると思われる。 <免疫染色による確認> これまでにDNA in situ hybridization(DNA-ISH)およびflorescence in situ hybridization(FISH)において、ピロリ菌の局在を確認していた。しかし、ISHは主技が比較的煩雑で結果の安定性に難があり、また感度が低いという問題点があった。したがって、より簡易な方法である免疫染色を行うことで、ISHの結果の確認とより多くの標本の解析を試みた。しかし、既存の抗H.pylori抗体ではリンパ節内に陽性像は得られなかったので、リンパ節内のピロリ菌にも陽性となるモノクローナル抗体を作成中である。
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