2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経膠腫における癌関連遺伝子のエピジェネティックな転写制御に関する研究
Project/Area Number |
16790210
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
石田 英和 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (10332967)
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Keywords | primary glioblastoma / secondary glioblastoma / epigenetic / ピストンH3,H4 / プロモーター領域メチル化 / アセチル化 |
Research Abstract |
本研究は、神経膠腫の再発、悪性転化という最も重要な因子でありながら充分な検討が行われていない点に着目し、glioblastomaを明確な基準でprimary glioblastoma(PGBM)とsecondary glioblastoma(SGBM)に分けて検索するという独創的な方法を用い、癌関連遺伝子のジェネティックな変異だけでなく、エピジェネティックな変異という観点からも腫瘍を解析することを目的とした。 【研究の成果・進捗状況】現在まで遺伝子解析した腫瘍材料は多形性膠芽腫100例(PGBM72例およびSGBM28例)、星状細胞腫36例、及び退形成星状細胞腫32例である。p14^<ARF>,p16^<INK4a>,RB1,PTEN,p21,p27,β-catenin,O^6-MGMT,GST-π,Hrkの遺伝子のプロモーター領域メチル化解析のために、各組織からDNAを抽出し、bisulfite sequenceでメチル化の有無、メチル化CpGアイランドの座位・頻度を検索した。RB1,PTEN,p21,p27,O^6-MGMT,Hrk3のメチル化はSGBMにおいてPGBMよりも優位に高頻度でみられたが、p16^<INK4a>とGST-πのメチル化は両者の間で差がみられず、p14^<ARF>,p21,p27,β-cateninに関してはいずれの亜型に関してもメチル化は稀であった。 次に、ヒストンH3、H4のアセチル化レベルを検索するためにそれぞれに対する抗体を用いて、免疫組織化学的に検索したところ、ヒストンH3、H4ともに各grade間における低アセチル化の頻度に優位の差がみられるとともに、SGBMの方がPGBMよりもピストンH3、H4の低アセチル化がみられた。
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Research Products
(3 results)