2006 Fiscal Year Annual Research Report
MGB技術を用いた造血器腫瘍における微小残存病変定量法の開発
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16790212
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
阿保 亜紀子 (八嶋 亜紀子) 岩手医科大学, 医学部, 助手 (80326686)
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Keywords | ALL / NHL / MRD / MGB-ASO RQ-PCR assay / 免疫受容体遺伝子 / 蛍光プローブ / IgH |
Research Abstract |
(目的) 我々は,造血器腫瘍において免疫受容体遺伝子の多様性を利用した,allele-specific oligonucleotide rea1-time quantitative PCR(ASO RQ-PCR)法によるMRDの定量的法を開発・実践してきた.本法では,多様な免疫受容体遺伝子の共通領域にconsensusprobeを設定することで,蛍光プローブの大幅なコストダウンに成功し,検査室レベルでの臨床応用を可能にした.しかし,(1)N-reionが数塩基と短い場合には偽性が生じる,(2)NHLではプローブの。に生じたmutationのためにconsensus probeを使えない場合がある,などの欠点があった.これらの理由で解析不可能な症例は,小児ALLで10%,悪性リンパ腫で30-40%であった.そこで当該研究課題では,これらの問題を解決するために,最近開発されたMBG(minor groove binder)技術を応用したプローブ・プライマーを用いることにした. (結果) 1.ALL 114例の初診時骨髄単核球からDNAを抽出し,114中74例(64.9%)でIgH遺伝子を増幅し得た,B-NHL24例の初診断時リンパ節からDNAを抽出し,24例中14例(58.3%)でIgH遺伝子を増幅し得た.クローニングシークエンスを行い,塩基配列を決定した. 2.データベースより10本のMGB-VHプローブを作製した. 3.ALL 24例中5例はN-regionが数塩基と短かったことから従来のVHプローブ(21-27mer)が使用できなかったが,全例でMGB-VHプローブ(16-18mer)を使用し,RQ-PCR assayが可能となった(MGB-VHプローブ可能例100%vsVHプローブ可能例79%). 4.B-NHL14例中4例ではプローブの領域に生じたmutationのために従来のVHプローブが使用できなかったが,9例でMGB-VHプローブを使用しRQ-PCR assayが可能となった(MGB-VHプローブ可能例64%vsVHプローブ可能例35%). 5.MGB-VHプローブを作成したALL 24中18例およびB-NHL9例について治療後Day 15,Day 35,Day 100における骨髄から単核球からDNAを抽出し,従来法のASO RQ-PCR assayおよびMGB-ASO RQ-PCR assayを用いてMRDを比較した. 6.ALL, B-NHLともにASO RQ-PCR assayおよびMGB-ASO RQ-PCR assayにおけるMRD値はほぼ同等であった. 7.ALLにおいてはDay 15,Day 35,Day 100におけるMRDの陽性群,陰性群では無病生存率に有意な差がみられなかった. 8.ALLにおいてはDay 15のMRD残存率(Day 15 MRDコピー数/Day 0 MRDコピー数×100)が1%以上群は1%未満群に比して有意に無病生存率が低いことが示された(74.7%vs100%). (考察) MBG技術を応用したMRD定量化システムは従来法のASORQ-PCR assayが不能であった症例もRQ-PCR1 assayが可能となり,効率的な臨床応用が可能であると考えられた.ALLにおいてはDay 15におけるMRD残存率を測定することで予後を予測可能であることが示された。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Aberrant maspin expression in gallbladder epithelium is associated with intestinal metaplasia in patients with cholelithiasis.2006
Author(s)
Maesawa C, Ogasawara S, Yashima-Abo A, Kimura T, Kotani K, Msuda S, Nagata Y, Iwaya T, Suzuki K, Oyake T, Akiyama Y, Kawamura H
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Journal Title
J Clin Pathol. 59
Pages: 328-330