2004 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマイクロアレイを用いた滑膜肉腫における遺伝子の解析
Project/Area Number |
16790217
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
松林 純 東京医科大学, 医学部, 助手 (00338790)
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Keywords | 軟部腫瘍 / 2相型滑膜肉腫 / 上皮性文化 / 形態形成 / 遺伝子発現 / マイクロアレイ / クラスター解析 |
Research Abstract |
軟部腫瘍は間葉系細胞起源であるため、その大部分は上皮性分化が認められない。しかし滑膜肉腫や類上皮肉腫など、一部の腫瘍は上皮性分化を有することが知られている。このような背景を踏まえて、我々は滑膜肉腫に焦点を絞り、上皮性分化などの滑膜肉腫の特徴的な形態形成に関わる重要な遺伝子を見い出すことを目標とした。対象として上皮様成分と線維肉腫様成分をあわせもつ2相型滑膜肉腫を用いて、その2つの成分に関する遺伝子の相違を検索した。2相型滑膜肉腫の診断に関しては,病理組織診断に加えて,腫瘍特異的な染色体転座(t(X;18))を確認できた症例に限った。このようにして選別された2相型滑膜肉腫の手術材料の新鮮凍結検体3例に関して、オリゴヌクレオチドマイクロアレイを用いて遺伝子発現の相違を検討した。具体的にはマイクロダイセクション法を用いて、2相型滑膜肉腫の上皮様成分と線維肉腫様成分を収集し、それぞれRNAを単離した。単離したRNAをT7ポリメラーゼ法により増幅し、cDNAを作製した。In vitro transcriptionを経て最終的にcRNAを作製し、得られたcRNAを用いてマイクロアレイを施行した。マイクロアレイはAmersham社のCode linkのsystemを用い、約50000個の遺伝子発現を検討した。次年度に、これらの遺伝子発現プロファイルをクラスター解析し、上皮様成分と線維肉腫様成分の遺伝子発現を統計学的に検討することを予定している。
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Research Products
(3 results)