2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外マトリックスペプチドによる細胞遊走と増殖の解析
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16790233
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
望月 早月 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80365428)
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Keywords | 細胞外マトリックス / ラミニンペプチド / フィブロネクチンペプチド / 細胞遊走 / マトリックスメタロプロテアーゼ |
Research Abstract |
本研究では、Matrix metalloproteinases 2 (MMP-2)ノックアウト(MMP-2 KO)マウスやMMP-2特異的阻害剤を用いてマウス心筋梗塞モデルにおける細胞外マトリックスの分解とマクロファージ(Mφ)遊走機構について検討を行った。 MMP-2 KOマウスとMMP-2阻害剤投与マウスではワイルドタイプ(WT)マウスに比べて急性心筋梗塞後の心破裂を抑制し、生存率が著しく改善された。梗塞心筋へのMφの遊走を免疫染色で比較すると、WTマウスに比較し、MMP-2 KOマウスやMMP-2阻害剤投与マウスでは有意に抑制されていた。Gelatin zymography及びin situ zymographyより、WTマウスの心筋梗塞部ではMMP-2の活性化が見られるのに対し、MMP-2阻害剤投与マウスでは有意に抑制され、MMP-2 KOマウスではMMP-2活性は認められなかった。免疫染色及びイムノブロットの結果から、WTマウスの心筋梗塞部ではラミニンやフィブロネクチンの分解が促進していた。さらに、invasion assayによる心筋梗塞部心筋に対するMφの遊走は、非梗塞部もしくはシャムオペレーションの心筋に比べて著明であった。ラミニンペプチドやフィブロネクチンペプチドでエラスチンラミニンレセプターやインテグリンα5β1をブロックしたMφでは心筋梗塞部心筋への遊走が抑制された。これらのことから、MMP-2 KOマウスやMMP-2阻害剤を投与したマウスでは、壊死心筋部の細胞外マトリックス分解が抑制され、急性心筋梗塞の予後が著しく改善された。また、梗塞心筋巣へのMφの遊走は、心筋梗塞後に活性化されたMMP-2によりラミニンやフィブロネクチンが分解され、その分解産物が梗塞心筋巣へMφの浸潤を誘導していると推定された。
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