2004 Fiscal Year Annual Research Report
フレンドウィルス抵抗性宿主遺伝子Rfv‐3の分子クローニング
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16790237
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
金成 安慶 近畿大学, 医学部, 助手 (60351590)
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Keywords | フレンドウィルス / 感染抵抗性遺伝子 / Rfv-3 / A / WySnJ / T細胞依存的免疫反応 / マイクロアレイ / トランスジェニックマウス / レンチウィルスベクター |
Research Abstract |
フレンドウィルスの感染の成立には宿主側の遺伝的背景が非常に重要な因子として考えられている。そのうちRfv-3は、第15番染色体上に存在することが知られており、感染後2週間後の中和抗体価を指標にマッピングを行ってきた。その結果、第15番染色体上のD15Mit1からD15Mit118の約3Mbの領域に存在することを突き止めた。 そこで、Rfv-3の遺伝子型が抵抗性型系統(C57BL/6)と感受性型系統(A/WySnJ)のマウスのフレンドウィルス感染後の脾臓におけるRfv-3遺伝子領域に存在する92個の遺伝子の発現をマイクロアレイで比較した。その結果から、発現に差のある遺伝子、またはその機能がT細胞依存的な免疫反応に関係のある遺伝子を候補遺伝子としてリストアップした。さらに、候補遺伝子について、定量的PCRを用いてより精密に発現の差をしらべ、同時にゲノム配列を調べたところ、最終的に候補遺伝子を2つまで絞り込むことができた。 候補遺伝子Aについては、リンパ球の細胞表面に発現している受容体遺伝子で、A/WySnJ系統では第3番エキソンにトランスポゾンが挿入されており、細胞内ドメインが欠損していた。また、候補遺伝子Bは、レトロウィルスの感染時に細胞内での防御に関係のある遺伝子として知られており、A/WySnJ系統での発現が低く、遺伝子発現調節部位の配列に違いがあることが予想される。 現在、我々は、Rfv-3遺伝子はこの候補遺伝子のどちらかであると考え、かねてからの予定通り、A/WySnJ系統にC57BL/6系統由来のA, B遺伝子を導入したトランスジェニックマウスを作成中である。遺伝子Aについては、導入用のレンチウィルスベクターも完成しており、トランスジェニックマウス作成に取りかかっている。遺伝子Bについては、両系統のマウスにおける遺伝子発現調節部位の一次配列の比較解析中である。
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