2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790242
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
畑生 俊光 群馬大学, 医学部, 助手 (60344917)
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Keywords | マラリア / 重症化 / 腫瘍壊死因子 |
Research Abstract |
本研究年度は、1)貪食細胞のマラリア原虫感染赤血球(pRBC)貪食後分泌因子による血管内皮細胞(HUVEC)上へのフラクタルカイン(FKN)発現誘導の検討、2)pRBC貪食マクロファージによるFKN誘導因子の同定、について、ヒト単核球細胞株THP-1を用いて検討を行った。実験方法は、PMAで分化誘導したマクロファージ(aTHP-1)あるいは未分化THP-1(THP-1)とpRBCを24時間共培養した後、その培養上清をHUVEC培養系に添加し、FACSにより細胞表面のFKN発現を観察した。同時に細胞からmRNAを回収し、RT-PCRによって炎症性サイトカインの発現パターンを検討した。THP-1とpRBCを共培養した結果、FKNの発現はほとんど認められなかった。aTHP-1とpRBCを共培養した結果、HUVEC表面にFKNの発現誘導が認められた。さらに原虫を同調培養した後、輪状体pRBCを共培養した培養上清あるいはマラリアピグメントを貪食させた場合ではHUVEC表面にFKNの発現が観察されたが、成熟pRBCを共培養した培養上清ではFKNの発現は認められなかった。HUVEC表面にFKN発現誘導が認められた組み合わせに関して炎症性サイトカインをRT-PCRにより解析した結果、腫瘍壊死因子mRNAの発現上昇が認められた。これらのことから、HUVEC表面へのFKN発現誘導は、マクロファージが輪状体pRBCあるいはヘモゾインを貪食したときに誘導される腫瘍壊死因子によると推測された。
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