2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790243
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鈴江 一友 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00333485)
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Keywords | マラリア / 免疫記憶 / T細胞 / CD4 / CD8 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
宿主と感染体との関係を考えるには、感染による宿主免疫応答を理解する必要がある。感染症を克服する上で最も効果的であるワクチンの開発のためには、防御免疫を仲介する記憶維持のメカニズムを理解する必要がある。しかし感染防御免疫の中心的な役割を果たしているCD4^+T細胞のマラリア防御免疫における役割については、本来ならワクチン開発戦略を考える上で最も重要な課題でありながら、未だそのメカニズムについては不明な点が多い。またMHC class I分子を持たない赤血球に寄生する病原体に対し、CD8^+T細胞が活性化するという報告も存在する。 われわれは各種免疫関連分子のノックアウトマウスを用い、弱毒マラリア原虫Plasmodium berghei XAT株の感染におけるT細胞の免疫応答について検討した。XAT株の感染によって野生型マウスは二峰性の原虫血症を呈した後に自然治癒する。しかしながらI型ヘルパーT細胞(Th1)の重要なサイトカインIFN-γを欠損するマウス(IFN-γ^<-/->)では全く原虫血症を抑制出来ずに死亡した。またII型ヘルパーT細胞(Th2)の分化に必須のシグナル伝達分子STAT6を欠損するマウス(STAT6^<-/->)では、最初の原虫血症のピークを抑制するが、次のピークを抑制出来ずに死亡した。以上の結果から、弱毒原虫XAT株感染において野生型マウスで観察される二峰性の原虫血症のうち、最初のピークの抑制にはTh1が、2番目のピークの抑制にはTh2が関与することが考えられた。
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