2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790251
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
間世田 英明 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助手 (10372343)
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Keywords | Pseudomonas aeruginosa / efflux pump / MexAB-OprM / MexEF-OprN / MexT / MexR / C4-HSL / nfxC mutant |
Research Abstract |
緑膿菌のオートインデューサー非生産株を作製し、MexAB-OprM薬剤排出ポンプの発現量をレポーター遺伝子およびイムノアッセイにより測定した。その結果、オートインデューサー産生遺伝子lasI,rhlIの内、rhlIを破壊した場合にのみ、MexAB-OprMの発現量が著しく低下することを突き止めた。また、この株にRhlIの産生物質であるC4-HSLを添加した場合、MexAB-OprMの発現が著しく誘導された。ことから、本ポンプはC4-HSLにより発現誘導されることが明らかになった。また、本ポンプがMexRレギュレーターにより発現抑制されていることを既に報告しているが、MexR破壊株において、C4-HSLを添加した場合、本ポンプの誘導が確認された。ことから、オートインデューサーC4-HSLによるMexAB-OprMの誘導は、MexRレギュレーターを介さないで行われていることを明らかにした。 また、緑膿菌の多剤耐性変異株の一つであるnfxC株では、MexTレギュレーターの機能が回復し、新たなポンプMexEF-OprNが発現すると同時に、MexAB-OprMの発現量が減少することが示唆されていた。そこで、nfxC変異株でのMexAB-OprMのポンプの減少とC4-HSLとの関わりを検討した。nfxC変異株ではC4-HSLをいくら添加しても全くMexAB-OprMの発現が、全く誘導されなかった。このことから、nfxC変異株でMexAB-OprMポンプが減少するのは、mexT遺伝子によるC4-HSLのMexAB-OprM誘導効果のキャンセルにあることを明らかにした。 以上、本年度の研究実施計画に記載した内容全てについて、実際に研究を遂行し、明確な結果を導き出すことができた。
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