2004 Fiscal Year Annual Research Report
ビブリオ・バルニフィカス感染時に認められる白血球減少機構の解明
Project/Area Number |
16790259
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
柏本 孝茂 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (50327459)
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Keywords | ビブリオ / バルニフィカス / 敗血症 / 白血球減少 / リンパ球減少 / アポトーシス / 好中球 / LPS |
Research Abstract |
マウス感染モデルを用い、V.vulnificus(V.v.)の感染による白血球減少を再現することが出来た。以下に、得られた成果の概要を記す。 V.v.の血中菌数は次第に増加し、接種後9時間で最大に達した。この菌数の増加に伴って、末梢血中の総白血球数は逆に減少し、6-9時間後に最低に達して12時間後まで低値を維持し続けた。末梢血中の総白血球数と白血球百分比の結果から、減少した白血球はリンパ球であることが明らかとなった。接種後9時間の胸腺と脾臓を用いて切片を作製し、ヘマトキシリン・エオジン染色を施した結果、核崩壊残渣を貪食したマクロファージがstarry sky像として認められた。また、脾臓においてはリンパ濾胞の萎縮も認められた。これらの変化がリンパ球のアポトーシスを反映している可能性を考え、組織切片にTUNEL染色を施したところstarry sky像に一致して陽性所見が認められた。さらに、アポトーシスの時間的変化を知る目的で両組織においてDNAラダーの検出を試みた。V.v接種後3時間からDNAの断片化が検出され始め、6および9時間にかけて進行したが、12時間後においては消失傾向にあった。この時間的変化は血中のV.v.菌数の変化と類似していた。これらの結果から、V.v.感染による白血球数の減少は、主にリンパ球がアポトーシスにより減少した結果であると結論できた。今後、V.v.のリンパ球アポトーシス因子の同定を行っていきたい。
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