2005 Fiscal Year Annual Research Report
ビブリオ・バルニフィカス感染時に認められる白血球減少機構の解明
Project/Area Number |
16790259
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
柏本 孝茂 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (50327459)
|
Keywords | ビブリオ / バルニフィカス / 敗血症 / 白血球減少 / リンパ球減少 / アポトーシス / イオンチャネル / 毒素 |
Research Abstract |
本研究費補助金を受け、V.vulnificus(V.v.)感染時に認められる白血球減少機構の解明に取り組んだ。その結果、得られた成果の概要を以下に記す。 1、マウス感染モデルを用いてV.v.感染による白血球減少を再現することに成功した。 2、減少するのはリンパ球のみで、好中球等の他の白血球は減少しないことを明らかにした。 3、リンパ球の減少は生体内での急激なアポトーシスに起因することを明らかにした。 これらの結果を含め、J.med.micro.(2005),54(1),p15-22に公表済みである。 4、V.v.の産生する細胞致死毒素(VvhA)を高度に精製し、VvhAがアポトーシス誘導作用を持つことを明らかにした。 5、このアポトーシス誘導作用は極めて低濃度(3.0ng/ml)で起こることを明らかにした。 6、アポトーシス誘導には細胞膜上でVvhAが多量体化する必要があることを明らかにした。 7、多量体化VvhAはイオン透過性チャネルの性質を有することを明らかにした。 8、VvhAがシグナル伝達の場として重要視されている細胞膜上の領域、Lipid raftsへ結合し、多量体化することを明らかにした。 ◎現在も引き続き解析は進行中である 今後は、VvhAのアポトーシス誘導機構を分子レベルで明らかにして行きたい。
|