2004 Fiscal Year Annual Research Report
病原性真菌カンジダ酵母の糖鎖合成に関わる遺伝子群の病原性への関与についての研究
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16790263
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
中山 浩伸 鈴鹿工業高等専門学校, 生物応用化学科, 講師 (40369989)
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Keywords | 病原性真菌 / Candida glabrata / GDP-マンノース合成 / PMI40 / VIG9 / in vivo-in vitro gap / 機能相補 / グルコースリプッレション |
Research Abstract |
糖鎖合成の原料となるGDP-マンノースの合成に関わる遺伝子について,Candida glabrataを用いて以下の2点を明らかにした。 1.GDP-マンノース合成経路の上流に位置する転移酵素PMI40(phosphomannose isomerase)のプロモーターをテトラサイクリン応答性プロモーターに置換した変異株を作製した。テトラサイクリンの誘導体であるドキシサイクリンを加え,PMI40遺伝子の発現を抑制したところ,試験管内では菌の増殖は見られなかったが,マウス体内では菌の増殖が観察された。このことから,PMI40は,試験管内では生育に必須であったが,マウス体内の増殖には必須でないことが分かった。 2.C.glabrataでは,炭素源にグルコース以外のものを使用すると,GDP-マンノース合成酵素,VIG9の発現を抑えても菌の生育が見られ,新たなGDP-マンノース合成経路があることが示唆された。我々は,最近公開されたC.glabrataのゲノム配列より,VIG9と高い相同性を持つ遺伝子(84%の同一性,92%ホモロジー)が存在することを見つけたので,PSA2と名付け,その機能解析を開始した。vig9欠損株に,PSA2遺伝子(PSA2 promoter+coding sequence)をlow-copyで導入すると,グルコース培地での生育阻害が部分的に相補された。また,培養する炭素源の違いによるPSA2遺伝子の発現量の違いを調べたところ,炭素源がグルコースの場合は,マンノースやグリセロールにした場合に比べ,その発現が強く抑制されていることが分かった。このことから,PSA2の発現はグルコースリプッレションの支配を受けていることが示唆された。現在,psa2欠損株を作製し,宿主体内を含め,いろいろな培養条件での表現型を調べている。
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