2004 Fiscal Year Annual Research Report
組換えノロウイルス中空粒子を用いたレセプター分子の同定
Project/Area Number |
16790277
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
白土 東子 (堀越 東子) 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 研究員 (60356243)
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Keywords | ノロウイルス / Virus-like particles / レセプター / 血液型物質 |
Research Abstract |
1.ノロウイルスと血液型物質との結合の解析 プロトタイプNorwalk株が血液型物質(型物質)を認識することが報告されている。しかし、ノロウイルス全体の総括的な型物質結合パターンは理解されているとは言い難い。今回、14種類の遺伝学的に異なるVLPsの発現を行い、Saliva-VLP binding assayにより唾液中の型物質との結合パターンを検討した。さらに、唾液に含まれる型物質であるH、A、B、Le^a、Le^b型物質の定量を行い、各ウイルス株が認識する型物質を解析した。その結果、GIに属するVLPsは4株すべてが唾液と結合した。これに対し、GIIのVLPsは7株が唾液に結合し、3株は結合しなかった。GIの4株では共通してB型唾液への結合が低かった。一方、GIIの7株ではB型唾液への結合が高いなど、同じジェノグループに属する株には共通項があることが明らかになった。以上の内容にっいては現在論文準備中であり、来年度は合成糖鎖を用いたCarbohydrate-VLP binding assayによりさらに詳細な解析を行う。 2.型物質以外の結合因子の同定 上記解析により、型物質と結合しないウイルス株も存在することが明らかとなった。型物質以外の結合分子について検討するため、ノロウイルスの感染部位と予想されている空腸と感染報告のない回腸を用いてサブトラクションを行い、空腸特異的に発現するcDNAクローンの単離を試みた。その結果、空腸特異的なcDNAクローンを25種類得ることが出来、これらの中には細胞表面分子も2クローン含まれていた。しかし、この2種の細胞表面分子の吸着しない細胞上での発現をフローサイトメトリーにより確認したところ、どちらも発現されていた。現在、空腸と大腸の組み合わせでのサブトラクションを検討中である。
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