2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト組織感染モデルによるヒト免疫不全ウイルス間の相互作用からみた病態の解析
Project/Area Number |
16790281
|
Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
伊藤 嘉規 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍免疫学部, 主任研究員 (20373491)
|
Keywords | ヒト免疫不全ウイルス / 共感染 / ヒトリンパ組織モデル / 定量PCR法 |
Research Abstract |
1.HIV-1感染症を引き起こすウイルスのサブタイプである、R5指向性HIV-1 (R5 HIV-1)、X4指向性HIV-1 (X4 HIV-1)およびR5X4両指向性HIV-1 (R5X4 HIV-1)の3種の相互作用を検討するためのモデルについて検討した。医学的理由で摘出された健常扁桃組織を小片に切り分けて作成したヒトリンパ組織モデルにおいて、それぞれのプロトタイプとして、増殖曲線が同様で、均一なウイルスストックが得られやすいものとして、SF162 (R5 HIV-1)、LAV.04 (X4 HIV-1)および89.6 (R5X4 HIV-1)を選択した。さらに、これらの組み合わせにおいて、それぞれのウイルスを他の2つのウイルス存在下で、正確に定量できるようなプライマーの設定を試みた。gp120遺伝子内の部位に設定したプライマーにより、こうしたことが可能なリアルタイム定量PCRアッセイを確立した。 2.HIV-1およびHIV-2の相互作用については、SF162 (R5 HIV-1)と7924A (HIV-2)の組み合わせ、およびLAV.04(X4 HIV-1)と7924A (HIV-2)の組み合わせにおいて共感染モデルおよびリアルタイム定量PCRアッセイを確立した。この場合のプライマーは、HIV-1についてはvpu遺伝子(HIV-2にはない)領域に設定し、HIV-2についてはvpr遺伝子(HIV-1とHIV-2で相同性が低い)領域に設定した。
|