2004 Fiscal Year Annual Research Report
抑制性アダプターGab2によるTCRシグナル制御のin vivoにおける役割
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16790283
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山崎 晶 独立行政法人理化学研究所, 免疫シグナル研究グループ, 研究員 (40312946)
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Keywords | T細胞抗原受容体 / アダプター / 胸腺細胞 / T細胞分化 |
Research Abstract |
Gab2のT細胞分化(ポジティブセレクション、ネガティブセレクション)への影響 MHC class II拘束性にOVAを認識するTCRを発現するOT-II TCR TgマウスとGab2 Tgを交配した結果、Gab2をTgで発現させることによって、CD4^+ single positive細胞へのT細胞分化が約半分程度にまで抑制されることが判明した。同様に雄抗原を認識するH-Y TCR Tgマウスを用いたところ、雌で見られるCD8^+ single positiveT細胞への分化(ポジティブセレクション)がやはり半分程度にまで抑制されることが明らかとなった。また、H-Y TCR Tgの雄で見られるnegative selectionに関しても、Gab2 Tgにおいて有意に抑制され、DN細胞の割合が有意に低下していることが明らかとなった。これらのポジティブセレクション、ネガティブセレクションに対する抑制効果はGrb2/Gads結合領域であるPxxxRモチーフを欠損させたGab2.ΔPxxxR Tgマウスでは認められなかった。成熟T細胞において我々はatypical Grb2 SH3結合領域PxxxRモチーフを介した結合によるGrb2/Gads-Gab2複合体がT細胞活性化に伴ってリン酸化LATにリクルートされ、抑制機構を発揮するモデルを提唱している。PxxxRモチーフはT細胞におけるpositive regulator、SLP-76にも同様に認められ、Gadsとの結合に必須であることが示されている。今回の結果から、胸腺未成熟T細胞においても、T細胞における正と負のシグナルの制御が、raftにリクルートされる正と負のアダプター分子によって調節されていることが示唆された。
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