2004 Fiscal Year Annual Research Report
Toll様受容体病原体認識機構におけるコレクチンの役割
Project/Area Number |
16790291
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
岩城 大輔 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (10315492)
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Keywords | 自然免疫 / Toll様受容体 / CD14 / ペプチドグリカン / 異物認識 |
Research Abstract |
Toll-like receptor 2(TLR2)はCD14と協調して、菌体構成成分であるペプチドグリカン(PGN)やリポタンパク質等により誘導される細胞応答反応に関与し、自然免疫において重要な役割を果たすことが知られている。以前に報告者がTLR2の細胞外領域のみからなる可溶型変異体(sTLR2)を作成し、TLR2のPGN認識機構について解析を行ったところ、PGNとTLR2細胞外領域との直接結合により細胞応答反応が引き起こされることが示唆された。また、sTLR2は可溶型CD14(sCD14)との結合によりPGNへの結合が促進されることが明らかとなっている。今回、TLR2のPGN認識機構を明確にする目的で、TLR2とPGNの相互作用におけるCD14の影響性について検討を行った。sCD14の固相化sTLR2への結合は、抗CD14単クローン抗体MEM-18(エピトープ:57-64アミノ酸配列)により90%以上阻害された。また、このエピトープ部分を欠失させたsCD14変異体の固相化sTLR2への結合量は、野性型sCD14と比較して80%減少したことから、CD14の57-64アミノ酸配列を含む領域がTLR2との相互作用に重要な部位であると考えられた。野性型TLR2と膜結合型CD14(mCD14)を共発現させたHEK293細胞を用いて、NF-κBの活性化を指標にTLR2を介したPGN細胞応答について解析を行なったところ、57-64アミノ酸配列を欠失させたmCD14変異体を共発現させた場合、野性型mCD14を共発現させた場合に見られるNF-κB活性の増強効果は見られなかった。従って、CD14の57-64アミノ酸配列がTLR2を介したPGNシグナル伝達の増強作用に重要な領域であると考えられた。
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