2004 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞応答を量的および質的に制御するペプチドの高効率同定システムの開発
Project/Area Number |
16790292
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
植村 靖史 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (40364781)
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Keywords | T細胞 / ペプチド / 樹状細胞 / アジュバント |
Research Abstract |
ヒトモノサイト由来DC (Mo-DC)に1.)LPSや2本鎖RNAなど微生物に特有の分子構造、2)プロスタグランジン、エストロジェンなどの生体内生理活性物質、および3)生理活性を示しうる環境化学物質等を添加することにより成熟DC (DC1、あるいはDC2)を誘導した。内分泌撹乱物質であるBisphenol A (BPA)によって成熟分化したDCは、濃度依存的にMDCおよびTARCの産生増加を示した。さらにBPAによって成熟したDCとHLA-DRの異なるアロナイーブTh細胞を共培養することにより、混合リンパ球培養反応を誘導した。これによって増殖、分化したTh細胞のケモカイン受容体(CCR4、CXCR3など)の発現、サイトカイン産生性(IFN-γ,IL-4,IL-5,IL10,IL-13,TGFβ1)を評価したところ、DCに添加したBPAの濃度に依存して誘導されたTh細胞のCCR4/CXCR3比、およびIL-4/IFN-γ比の上昇を認めた。以上より、種々の化学物質がDCに作用して、機能的に変化したDCが異なるTh分化を誘導しうることが分かった。このような観察は、抗原特異的免疫応答を抗原ペプチドのアナログのみならず、これらの化学物質に含まれる特有の構造物、あるいは、これらによってDCに発現してくる分子を用いることによってTh1/2応答制御が可能であることが分かった。現在、これらのアジュバント活性を有する物質がTh分化が終了したTh1あるいはTh2細胞のサイトカイン産生性を制御しうるかについて評価している。ペプチドリガンドのアナログを機能的に修飾を受けたDCに添加し、分化したTh細胞の産生するサイトカインを制御するという目的において、これらのアジュバント活性を有する物質の併用は鍵となる。
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[Journal Article] Degenerate recognition and response of human CD4+ Th cell clones : Implications for basic and applied immunology.2004
Author(s)
Nishimura Y., Chen Y-Z., Uemura Y., Tanaka Y., Tsukamoto H., Kanai T., Yokomizo H., Yun C., Matsuoka T., Irie A., Matsushita S.
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Journal Title
Mol.Immunol. 40
Pages: 1089-1094
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