2004 Fiscal Year Annual Research Report
医療被曝線量の低減を目的としたX線CT装置の品質評価システムの開発
Project/Area Number |
16790307
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
前田 浩志 広島国際大学, 保健医療学部, 助手 (20330706)
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Keywords | X線スペクトル / 半導体X線検出器 / X線CT装置 / Schottky CdTe detector / Compton spectroscopy |
Research Abstract |
近年、医療現場におけるX線診療技術は高速化・高精細化が目覚しい。特にX線CT装置においては、多列式検出器を備えたものが広く普及されるようになり、この傾向が強まっている。一方、その反面、医療被曝線量の点からすると、大幅な増大傾向にあって、問題視されている。放射線従事者の被ばく線量は極めて厳重に管理されている一方、医療被曝線量の上限はその目的の範囲内であれば無限大である。画像検査に頼りがちな日本の医療において、X線検査法の進歩発展は検査制度の向上以上に被曝線量の増加を生じさせているといっても過言ではない。X線被曝線量の推定にはX線スペクトルの測定が最も良い方法であるが、X線CT装置はX線を放出するX線管球が常に回転しているため、稼働中のスペクトル測定はきわめて困難と考えられていた。一時的に装置を保守点検モードなどに切り替え、また、特殊な方法をもってスペクトルの測定を行う方法はあったが、今回の研究では、そのような回転する線源からでもスペクトルを測定できる方法を開発している。我々は、従来の、X線のビームの中に直接検出器を設置する方法に代え、いったんX線ビームを被写体に入射させた後、そこから散乱してくるX線を捕らえることによってスペクトルを得る方法の実用化を行った。散乱してくるX線は入射してくるX線とは量・質ともに異なるものであるが、ある一定の散乱角度を規定しその角度の散乱成分のみを得るようにすると、これは散乱確率の式であるクライン-仁科の方程式を用いることによって、計算によって散乱前の性質に逆算することが可能である。我々は、X線管球を動かさない状態で、つまり、一般のX線装置を用いてこの90度散乱測定法を行い、この方法が実際に正確なスペクトルを測定できるかを確認した。
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Research Products
(1 results)