2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト血中アポE含有HDLの定量分析法の確立と臨床応用
Project/Area Number |
16790314
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
臼井 真一 岡山大学, 医学部, 助手 (50346417)
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Keywords | HDL / アポリポプロテインE / 動脈硬化 / 危険因子 |
Research Abstract |
今年度の研究計画に沿って、「血中アポE-HDLの定量分析法の確立」を中心に研究を進めた。 1.アポE-HDLの分離精製: 測定系の標準物質として必要なアポE-HDLの分離精製を試みた。血清を直接ゲルろ過HPLC法で分取し、新たに確立したELISA法でアポEを検出した。アポEはVLDL、IDL分画およびHDL分画に幅広く分布し、特にHDLのアポEは大型のHDLに偏って分布していた。このためゲルろ過法のみではLDLとアポE-HDLを完全に分離することはできなかった。超遠心法による分離でも通常のHDL分画(d:1.063-1.21kg/L)ではなく、少し比重が小さいd:1.04-1.1kg/L分画にアポEが多く含まれていた。この1.04-1.1kg/L分画にもLDLとHDLが混在するため、超遠心法にてアポE-HDLを単離することは困難であった。現在、アポE-HDL分画に混入するLDLを除去するために免疫沈降法を導入し、さらにアフィニティクロマトグラフィー法にてアポE-HDLの分離を継続して検討している。 2.アポE-HDL検出法の検討: (1)サンドイッチELISA法によるHDL-アポEの検出を検討した。抗アポAI抗体をマイクロウエルプレートにコーティング後、血清と反応させてHDLをトラップし、ペルオキシダーゼ標識抗アポE抗体で検出を試みた。この分析系では予想以上に他のリポタンパク質の非特異的結合が大きかった。ブロッキングや洗浄操作(主に界面活性剤の種類と濃度を変える)を検討することで一部改善されたが、最適条件は見つかっていない。 (2)主に界面活性剤を使ってアポE-HDL粒子内のコレステロールを選択的に比色定量する系を検討した。29種類の界面活性剤を一種類あるいは数種類組み合わせて検討した結果、いくつかの候補が見つかった。精製アポE-HDLを使ってその選択特異性の確認が必要である。
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