2005 Fiscal Year Annual Research Report
アミノグリコシド高度耐性遺伝子の検出方法の開発および日本における保有状況の調査
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16790318
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
山根 一和 国立感染症研究所, 細菌第二部, 主任研究官 (00356247)
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Keywords | 16S rRNAメチラーゼ / アミノグリコシド耐性 / 病原細菌 |
Research Abstract |
アミノグリコシド(AG)高度耐性を付与する16S rRNAメチラーゼ(メチラーゼ)は病原細菌において現在のところ4種類が知られており、これらすべての耐性遺伝子はいずれも日本の医療現場から分離された菌株から分離されている。この耐性遺伝子保有株の耐性パターンによるスクリーニング方法とPCR法による遺伝子型判定方法の開発を行った。 メチラーゼ産生菌では耐性パターンが臨床で利用されているAGが属する4,6-disubstituted class aminoglycosideすべてに高度耐性を示し、特に最も一般的に病原細菌が保有するAG耐性機序であるAG修飾酵素では不活化されないアルベカシンに対しても高度耐性を示す。これらの特徴を利用し、スクリーニング方法を開発した。スクリーニングの第一段階として対象菌株をアルベカシン含有培地に接種しコロニーが形成された菌株を新しい培地全体に薄く接種し、カナマイシン、ゲンタマイシン、アミカシン、アルベカシン含有ディスクをそれぞれ5cm以上離して培地上に配置し培養する。培養後すべてのアミノグリコシド含有ディスクの周辺に阻止円の形成が全く認められない菌株がメチラーゼ産生株である可能性が高い。ただしこのスクリーニング法の対象となりうる菌株は腸内細菌科Pseudomonasaeruginosa, Acinetobacter属であり、その他のAG高度耐性グラム陰性菌は以下に述べるPCR法でもメチラーゼ遺伝子が確認できず別の耐性機序によるものと思われる。 個々のメチラーゼ遺伝子についてはそれぞれ特異的プラーマーが設計されていたが、検査手順をできるだけ減らし、日常の検査で使用できるようmultiplex PCR法に用いることのできるそれぞれのメチラーゼに特異的なプライマーを設計した。 これらの方法が大量の菌株のスクリーニングに用いることが可能かどうか実験室に保存してあるグラム陰性桿菌2877株を検査したところ15菌株からメチラーゼ遺伝子が検出され、大量の菌株に対しても応用可能なスクリーニング方法であることが確認できた。
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Research Products
(1 results)