2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790324
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
新井 英一 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (60325256)
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Keywords | 食後高血糖 / 糖尿病 / パラチノース / 肥満予防 / オレイン酸 / 内蔵脂肪蓄積 / 膵臓機能 |
Research Abstract |
糖尿病をはじめとする生活習慣病の予防や治療を目的として開発した糖質調整食品(MHN-01)は、これまでに食後高血糖および高インスリン血症の抑制効果を有することを報告した。本研究の目的はこの食品の肥満抑制に対する成分の同定と詳細な抑制メカニズムを明らかにすることである。最終年度は、MHN-01の構成成分に着目し、糖質と脂質の組み合わせが生体の糖・脂質代謝に及ぼす長期的な複合効果について検討を行った。MHN-01に含まれるパラチノース:Pおよびオレイン酸:O、対照としてシュクロース;Sおよびリノール酸:Lとを組み合わせた4種類の餌(PO、PL、SO、SL)を調整しZucker fattyラットに8週間投与して評価した。投与後、内臓脂肪量はPO/PL群で有意に抑制された。血糖、血清インスリン、中性脂肪、総コレステロール値は、PO/PL群での抑制およびSO/SL群での亢進を認めた。肝臓での遺伝子発現では、糖新生系酵素(PEPCK、G6Pase)と脂質合成系転写因子(SREBP-1c、SREBP-2)は、血液データを反映した発現パターンを示したが、下流遺伝子であるFAS、HMG-CoA reductaseは、PO/SO群での抑制およびPL/SL群での誘導を示し、脂肪酸による調節が示唆された。糖新生系・脂質合成系遺伝子群の両方で、PO群での発現抑制とSL群での強い発現亢進が見られた。膵島面積はPO/PL群で小さく、SO/SL群で肥大化を認め、Pの膵島肥大化抑制効果が示された。また、PL/SL群で観察されたβ細胞の機能障害は、PO/SO群では認められず、Oによる膵臓保護作用が示唆された。パラチノースとオレイン酸の組み合わせは、食事誘導性の糖毒性と脂肪毒性を回避し、肥満の進展によって生じる代謝異常を総合的に改善することが示された。
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Research Products
(4 results)