2005 Fiscal Year Annual Research Report
日米間若年男性における冠動脈石灰化有病率の相違に影響を与える要因の解明
Project/Area Number |
16790335
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
門脇 崇 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (30324578)
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Keywords | 動脈硬化 / 肥満 / アディポサイトカイン / 国際情報交換 / アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
我々は平成16年度までに滋賀医科大学と米国ピッツバーグ大学との間で、「若年男性の冠動脈石灰化と頚動脈肥厚による動脈硬化度と循環器疾患危険因子との関連」(基盤研究(A)(2)、主任研究者:滋賀医科大学 上島弘嗣)を行った。その結果、40歳代の日本人男性は、血圧・喫煙率・血中コレステロールなどの古典的危険因子が米国人と比較して不良であるにもかかわらず、冠動脈石灰化と頚動脈肥厚による動脈硬化度は低いことが明らかになった。 本研究では、上記研究結果を踏まえて、動脈硬化進展度に関連する要因を明らかにすることを目的とし、日米で著しく違っている肥満度に着目し、腹部脂肪の分布の日米比較およびアディポサイトカインの日米比較を行った。 平成17年度には、腹部脂肪の分布の計測を完了し、ピッツバーグのラボでのアディポサイトカインのうちの一部の測定を終了した。 本年度内に得られた知見の概要は以下の通りである。 1)腹部脂肪の分布について、第4/5腰椎のレベルで皮下脂肪と腹部内臓脂肪の分布を調べると、同じ腹囲のレベルでは米国人よりも腹部内臓脂肪の面積および腹部内臓脂肪/皮下脂肪の比が有意に大きいことが明らかになった。 2)PAI-1(plasminogen activator inhibitor-1)血中濃度は日本人の方が有意に高く、腹囲・中性脂肪が日本人のPAI-1血中濃度に有意に関連していた。 3)アディポネクチンの日米比較については現在解析中である。 4)現在のところ、腹部肥満および他のアディポサイトカインなどの新興危険因子の状況は米国人の方が良好であり、日本人の動脈硬化進展度を抑制する要因が他にあるものと考えられ、今後、さらに研究が必要である。
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Research Products
(2 results)