2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790348
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
堀 真奈美 東海大学, 教養学部, 講師 (60349321)
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Keywords | 公私役割 / 福祉ミックス / 医療福祉供給 |
Research Abstract |
医療・福祉分野では、供給体制をみるかぎり、公的部門による直接供給は限定的であり、民間部門が相当な割合を占めている。しかし、医療福祉サービスは、「混合財」ないしは「価値財」と取り扱われていることもあり、公共の影響力が非常に強く、供給可能な組織は、民間部門といっても、従来は、医療法人や社会福祉法人など一部の非営利法人に限定されている。そして、これらの法人は、複雑な規制の下、公的法人と同等以上の杜会的役割が期待されており、公私の役割が必ずしも明確とはいえない。一方、近年、介護保険の導入にともない在宅介護における営利企業の参入が可能になるなど、この分野においても営利法人の参入の是非が議論されるようになっている。 一般的には、公的法人には民間法人とは異なる公的責任、役割があると考えられ、公私の役割分担は明確であるように思われてきた。しかし、実際は、(1)公的法人であっても、PFI (Private Financial Initiative)/PPP (Public Private Partnership)の導入により民間法人に近い行動パターンとるケース、アウトソーシングを行うケース、(2)民間法人であっても事実上、公的法人に近い行動パターンをとるケース、(3)同じ民間法人といっても、営利・非営利によって行動パターンが異なるケースなどがあり、必ずしも公私の役割分担は明確ではない。そこで、現状の公私の役割分担の実態を把握、整理するとともに、医療福祉システム全体のパフォーマンス向上という観点から今後の公私分担のあり方を再検討する必要があると考える。 初年度である平成16年度は、国内における医療福祉供給組織を、公共部門、民間部門、混合部門(民間委託、PFI/PPP導入含む)に分けて、それぞれのサービスがどのように提供されているのかを文献・資料収集、訪問調査によって情報収集した。
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