2005 Fiscal Year Annual Research Report
食事の多様性と生活習慣病の関連についての生態学的研究および調査票開発
Project/Area Number |
16790355
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
片野田 耕太 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), がん予防・検診研究センター・情報研究部, 研究員 (00356263)
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Keywords | 食事の多様性 / 国民栄養調査 / 穀類 / たんぱく源 / 栄養転換 |
Research Abstract |
目的 本研究では昨年度、食品群別栄養素等摂取割合を用いた新しい食事多様性評価指標を用いて、日本人における摂取エネルギーおよび摂取重量に関する量的食事多様性指標の年次変化を調べた。今年度は、その指標を各食品群内で算出しその年次変化を考察することを目的とした。 方法 食品群別栄養素等摂取割合より、次の量的多様性指標を算出する。 QUANTitative Index for Dietary Diversity (QUANTIDD) = {1-Sigma(prop (j)×prop (j))}/1-1/n) ただし、prop(j)=栄養素等摂取量に占める食品群jの寄与割合、n=食品群数、j=1,2,...,n。 この指標は、栄養素等の摂取源がすべての食品群に均等に分布している場合最大値1をとり、単一の食品群に偏っている場合最小値0をとる。1948年〜1995年の国民栄養調査公表データを用いて、穀物内の4食品群(米類、大麦、小麦、その他雑穀)およびたんぱく源食品内3食品群(魚介類、獣鳥肉類、卵類)内の摂取エネルギーに関する量的食事多様性指標の年次変化を調べた。 結果 穀物内の食事多様性指標は、1940年代後半に約0.6だったのが減少傾向を示し60年代後半には0.4弱になり、70年前後から90年代まで増加傾向が続き0.6弱まで戻った。たんぱく質源食品内の多様性指標は、1950年代半ばまで約0.4で推移した後70年頃までに約0.8まで急増しその後微増して80年代以降は約0.9で横ばいだった。 考察 食品群別摂取量の推移と比較した結果、穀類の多様性の1950〜60年代の減少は雑穀類の減少が、70年前後からの増加は小麦類の増加が原因で、たんぱく源食品の多様性の50年代後半からの急増は、魚類のみに依存していたたんぱく源が肉類と卵類へシフトしたことが原因だと考えられる。
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Research Products
(3 results)