2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790360
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
飯野 守男 京都大学, 医学研究科, 助手 (80362466)
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Keywords | FE65 / 頭部外傷 / びまん性軸策損傷 / β-APP |
Research Abstract |
本研究では,法医学実務における頭部外傷事例において問題となる,びまん性軸索損傷(diffuse axonal injury, DAI)の診断法の確立を目的としている。 これまでにDAI症例の脳内において,βアミロイド前駆蛋白(β-amyloid precursor protein, β-APP)が発現することが分かっているが,この蛋白は頭部外傷受傷後早期には発現しないため,受傷後早期に死亡した事例において,DAIを診断するのが困難であり,その診断方法の確立が求められている。 β-APPには,結合蛋白であるFE65があり,これまでの研究で,ラットの頭部外傷モデルにおいて,損傷脳におけるFE65 mRNAの外傷後早期の発現が確認されている。本研究では,in situ hybridization法を用いることによって外傷後のFE65 mRNAの脳内における局在を確認するとともに,免疫組織化学的手法によりFE65蛋白のその局在および発現量を確認し,この蛋白が新たな頭部外傷マーカーとなるかどうかを検討する。 平成16年度においては多数の頭部外傷ラットのサンプルを作製し,次年度における解析準備を進めている段階である。 本研究において頭部外傷後早期にFE65の発現が確認されれば,頭部外傷を受けたヒト剖検脳についてもこの手法を応用することによってFE65の発現を検討し,受傷後早期の死亡例におけるDAIの診断手技としての確立を目指す。
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