2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790364
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
井浜 容子 琉球大学, 医学部, 助手 (80347137)
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Keywords | 大型脳標本 / 頭部外傷 / 解剖 / 大型ミクロトーム / 神経病理 |
Research Abstract |
現在のところ、解剖事例の中から比較的受傷状況や受傷後経過時間が明らかになっている頭部外傷例を選択して大型連続切片を作成している。これらの頭部外傷症例について、各々の受傷の詳細(受傷の部位・方向・大きさ・機序)を把握して、脳室壁の損傷(部位・程度・分布)との関連についてその傾向を掴むために詳細な検討を継続して行っている。今回の研究では、同一条件で包埋・染色された側脳室が一枚の標本上で観察できることを目的として、脳を水平断した状態で大型切片を作成している。同一条件で脳室壁損傷の程度などを評価できることはこの方法の大きな利点であるが、その一方で死体の状態や固定不十分によって、予想以上に切削困難や染色性不良なものが多く標本作製に難渋している。また、実際の解剖症例を対象とした研究であるため、受傷方法、外力の大きさ、損傷程度が症例ごとに極めて多様であることが最大かつ不可避な問題であり、実験動物を用いて頭部外傷モデルを作成することについて検討を行ったが、ヒト脳との形状の違いなどから今回の研究に有意義な結果を得られるものではないと判断した。今後は、頭部への外力と脳室壁の損傷を分類・パターン化をするために、ひとつでも多くの症例について検討を行いながら総括を行っていく予定である。最終的には解剖症例において認められた脳室壁損傷の所見(部位・程度・分布など)から受傷メカニズム(外力の方向・受傷部位・受傷方法など)を推測・再構築することであり、そのためのデータベースを作成したいと考えている。
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