2004 Fiscal Year Annual Research Report
食道知覚におけるカプサイシン感受性神経についての検討
Project/Area Number |
16790379
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
古田 賢司 島根大学, 医学部, 助手 (40362933)
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Keywords | 胃食道逆流症 / 細胞間隙 / 走査電子顕微鏡 / 免疫電子顕微鏡 / カプサイシン感受性神経 / カルシトニン遺伝子関連ペプチド |
Research Abstract |
食道知覚におけるカプサイシン感受性神経についての検討を平成16年度より行っている。今回の研究を行なうにあたり電子顕微鏡観察に習熟するため、本年度は胃食道逆流症患者における食道粘膜生検組織を用いた走査型電子顕微鏡観察を行なった。対象は文書による同意が得られた胸やけなどの症状を有さない正常者、胸やけ症状はあるが内視鏡的に粘膜傷害の認められない内視鏡陰性GERD患者、胸やけ症状があり食道粘膜傷害が認められる逆流性食道炎患者各10例について、食道胃接合部から2cm口側の正常粘膜に見える部分からの生検材料で試料作成を行ない、走査電子顕微鏡観察にて観察した。その結果、従来透過型電子顕微鏡での観察で報告されているのと同様に正常者と比較して内視鏡陰性GERD患者、逆流性食道炎患者においては食道上皮細胞間隙が有意に拡大していた。また、走査電子顕微鏡の特性を生かし、細胞表面構造の乱れについても検討を行なったが、正常者と比較して内視鏡陰性GERD患者、逆流性食道炎患者において表面構造の乱れが高度に生じていることが明らかとなった。今後は免疫電子顕微鏡観察を併用し、カプサイシン感受性神経の末端から分泌されるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、E-カドヘリン、ZO1、β-カテニンなどの細胞接着因子の分布との走査電子顕微鏡観察で得られた知見との関連性を詳細に検討するため、免疫電子顕微鏡による検討を行なっていく予定である。
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Research Products
(6 results)