2004 Fiscal Year Annual Research Report
磁性マイクロビーズを用いた肝細胞癌ラジオ波焼灼療法における焼灼範囲拡大の検討
Project/Area Number |
16790380
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
三宅 達也 島根大学, 医学部, 助手 (90362920)
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Keywords | ラジオ波焼灼療法 / 肝細胞癌 / 磁性マイクロビーズ |
Research Abstract |
H16年度は、(1)磁性マイクロビーズ・油性造影剤懸濁液の作成と安全性の検証、(2)家兎VX2肝癌モデルを用いた磁性マイクロビーズ動注後の腫瘍および肝組織内分布の評価を行う予定であったが、まずMRI造影剤として現在臨床応用されており、安全性が確立されている、超常磁性体酸化鉄(SPIO)を用いたラジオ波焼灼療法(RFA)における焼灼範囲拡大の基礎的研究を行った。SPIOも酸化鉄コロイドからなる磁性体であるため、ラジオ波誘電加温時に特異的な熱を発生することが予想された。そこで、実際我々が行った基礎的研究は、以下の通りである。 1.生食を門脈から環流した豚肝と、SPIO(フェルカルボトラン)の生食溶液を門脈から環流した豚肝をそれぞれ金属容器の中に入れ寒天で固め、RFAモデルを作成する。 2.各々のモデルを超音波ガイド下で、冷水環流型ラジオ波電極を刺入し焼灼する(1個の豚肝につき5カ所ずつ)。 3.焼灼範囲を超音波画像と割面で計測することによって評価し、比較検討する。 今まで5個ずつの豚肝を用いて施行した上記実験の結果では、SPIO溶液で環流した豚肝にRFAを施行した方が、生食のみで環流したものよりも焼灼範囲が拡大する傾向を認めている。磁性マイクロビーズ・油性造影剤懸濁液が臨床応用できなかった場合でも、SPIO溶液で代用できる可能性があり、今後も安全性の確認やRFA時の効果的投与法について基礎的研究を継続する予定である。
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