2004 Fiscal Year Annual Research Report
消化管間葉系腫瘍における炭酸脱水酵素関連蛋白の発現とその意義
Project/Area Number |
16790382
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
岡本 宣人 高知大学, 医学部, 助手 (10346710)
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Keywords | 炭酸脱水酵素 / 炭酸脱水酵素-関連蛋白 / 消化管間葉系腫瘍 / カハールの介在細胞 / KIT / CD34 / CA-RP |
Research Abstract |
消化管間葉系腫瘍(Gastrointestinal stromal tumor ; GIST)における炭酸脱水酵素-関連蛋白(Carbonic anhydrase-related protein ; CA-RP)の発現とその意義について以下の実験結果を得た。 1、正常消化管におけるCA-RP VIII, X, XIの発現の検討 von Recklinghausen病患者の手術切除胃組織を用いた免疫組織染色を行った結果、3種類のCA-RPは筋層内Auerbach神経叢の神経節細胞の細胞質に発現が認められた。一方、GISTの前駆細胞とされるKITおよびCD34陽性のカハールの介在細胞にはいずれのCA-RPの発現も認められなかった。 2、GISTにおけるCA-RP VIII, X, XIの発現の検討 GISTの手術切除組織切片(n=22)において3種類のCA-RPの発現を免疫組織染色にて検討した結果、CA-RP VIIIは59%、CA-RP XIは91%の腫瘍で陽性であり、CA-RP Xはすべての腫瘍で陰性であった。CA-RP VIIIおよびXIの発現は腫瘍の中心に比し辺縁部で強くみられた。 3、培養GIST細胞への遺伝子導入によるCA-RP蛋白の強制発現 上記2の結果を受け、遺伝子導入によりCA-RP XI蛋白を安定的に強発現する培養GIST細胞株(GIST-T1-CA11)を樹立した(mRNAの発現はwild-typeのGIST-T1細胞の6.8倍増強を確認)。wild-typeのGIST-T1細胞に対しGIST-T1-CA11細胞では、in vitro培養において細胞増殖能の有意な増強(p<0.005)と、chemotaxis chamberを用いた培養において有意な浸潤能の増強(p<0.005)を示した。 4、以上の結果より、カハールの介在細胞からGISTへのtumorinogenesisの過程では、CA-RP VIIIおよびCA-RP XIの発現増強が腫瘍辺縁部で認められ、強発現したCA-RP XIはGIST細胞の増殖能および浸潤能を増強していることが示唆された。
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