2004 Fiscal Year Annual Research Report
下部食道括約部の神経-筋刺激伝達機構におけるXIX型コラーゲンの機能の研究
Project/Area Number |
16790385
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
住吉 秀明 大分大学, 医学部, 助手 (60343357)
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Keywords | コラーゲン / 遺伝子ノックアウト / 下部食道括約部(LES) / 抗体作成 / 透過型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
1)in-vivoにおけるLes圧の測定実験 マウスの食道内に挿入し、内圧を測定できる装置によって実際のin-vivoにおけるLes圧を測定したところ健常マウスにおける正常LES圧が20〜30mmHgなのに対して、XIX型コラーゲンノックアウトマウス60〜150mmHgと著しいLes圧亢進がみられ、また嚥下刺激によるLes圧の降下も不十分か全く見られなかった。この臨床所見はすでにアカラシアモデルマウスとして報告されているNOS-KOマウスと同じものであり、NOシグナルトランスミッション細胞を欠くICC欠損マウス(W/Wv)とは異なっていた。 このLes圧亢進はアカラシアの治療にも使用されているisoprppenenololによって降下させることができた。このことにより、このノックアウトマウスでは発生起序は異なるものの、最終的にヒトアカラシアときわめて似た臨床所見を示すことが分かった。 2)電子顕微鏡による形態観察と免疫電顕 透過型電子顕微鏡による観察により、XIX型コラーゲンノックアウトマウスのLESの平滑筋細胞の細胞間隙の拡大が生後、既にみられること、それが加齢につれて拡がっていき、細胞間隙の基底膜層に乱れた線維性コラーゲンが蓄積し、Fibrosisを呈していくことが示された。電子密度による基底膜の構造的な差異は認められなかった。また免疫電顕によってXIX型コラーゲンの染色を試み、幾つかのシグナルを検出できたが、バックグラウンドも高く、まだ検討を要する。 3)XIX型コラーゲンドミナントネガティブタイプの遺伝子改変マウスの作成 本実験は米国の共同実験者と2年にまたがって行なう予定であり、既にXIX型コラーゲンのC末よりの三重らせん構造を一部欠くN末の球状ドメインを欠くデザインのターゲットコンストラクトを作成し、ES細胞に導入した後、いくつかのポジティブクローンを単離している。来年度の実験においてマイクロインジェクションと遺伝子改変マウスの作成を行なう。
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Research Products
(4 results)