2006 Fiscal Year Annual Research Report
肝線維化の分子機構-肝硬変治療の新戦略-BAMBIによる遺伝子発現プロフィル変化
Project/Area Number |
16790393
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
北村 直人 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30306691)
|
Keywords | BAMBI / follistatin / 肝臓 / 線維化 |
Research Abstract |
我々はDimetylnitrosamine(DMN)による肝障害ラットにおいて、follistatinの静脈投与の繰り返しにより線維化の抑制に成功した。その機序の解明にあたり、follistatinにより、肝細胞のアポトーシスが抑制されていることを証明した。線維化におけるTGF-β・activinのシグナル伝達を解析するため、DMNによる急性肝障害ラットより肝細胞・伊東細胞・クッパー細胞を分離し、それぞれからのTGF-β・activinの発現の変化を調べた。また、肝細胞・伊東細胞を分離培養し、activin・TGF-beta fbllistatinを添加培養し、細胞の活性化とactivin・TGF-betaの発現を解析した。これらから、肝臓の線維化では肝細胞から分泌されるactivinが重要な役割を果たしているという結果を得て、これらの研究成果を国際肝臓学会議にて報告した。Follistatinを安定して、かつ安価に供給するため、ヒトfbllistatinのprimerを設計し、RACE(rapid amplification of cDNA ends)法の原理を用いて、760kDの全長に近いPCR産物を得ている。完全長cDNAが得られれば、発現プラスミドを構築する予定である。また、50kD程度の小さな蛋白であるBAMBI(BMP and ctivin membrane-bind inhibitor)もactivinシグナルを抑制することから、follistatin同様に肝の線維化の抑制が可能と推測した。BAMBIのprimerを設計し、そのPCR産物をTAクローニング法によりサブクローニングした。現在、得られた蛋白について、activinおよびsmad2,3を用いて免疫沈降法により、合成物とactivinとの結合能の評価を予定している。
|