2004 Fiscal Year Annual Research Report
腸上皮細胞におけるNOD2の細胞内局在とpathogen認識メカニズムの解明
Project/Area Number |
16790394
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
久松 理一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60255437)
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Keywords | クローン病 / CARD15 / NOD2 / 腸管上皮細胞 / 自然免疫 / 炎症性腸疾患 |
Research Abstract |
菌体成分muramyl dipeptideの細胞内受容体CARD15/NOD2のSNPが一部Crohn病の発症に関与していることが報告された。Crohn病に相関するNOD2のSNP、3020insCはC末端の33アミノ酸が欠損したtruncated LRRタイプのNOD2をコードし、MDP刺激によるNFkB活性化が認められない。このことはbacterial pathogen認識機構の変化がCrohn病の病態に関与していることを疑わせる。NOD2は当初、末梢血単球に特異的に発現していると報告されたが、その後に我々および他のグループにより末梢血単球のみならず、腸上皮細胞、粘膜固有層内のmacrophageやDC細胞に発現していることが判明した。我々はこれまで腸上皮細胞においてNOD2の発現が炎症性サイトカインで調節されていることを明らかにし(Hisamatsu T, et al. J Biol Chem 2003;278:32962-8.Hisamatsu T, et al. Gastroenterology 2003;124:993-1000)、腸上皮細胞においてNOD2が侵入してきたbacteriaに対してanti-bacterial factorとして働いている可能性を報告してきた(Hisamatsu T, et al. Gastroenterology 2003;124:993-1000)。今回NOD2と細胞内pathogenとの相互作用をさらに追及するためにyeasttwo-hybrid法により関連蛋白質のスクリーニングを行い、GRIMI9との相互作用があることを突き止めた。さらにGFP-NOD2融合蛋白を作成しGRIM19とNOD2のinteractionを証明し両分子が細胞内に侵入した細菌の生存に対して防御機構として働いている新たな知見を見出した(J Biol Chem. 2005 Mar 7 in press)。
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