2004 Fiscal Year Annual Research Report
消化管平滑筋およびICCのギャップ結合形成におよぼす性ステロイドホルモンの影響
Project/Area Number |
16790402
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宮本 幸子 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (10367089)
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Keywords | 消化器学 / 組織形態 |
Research Abstract |
本研究では、性ステロイドホルモンが、ICCおよび消化管平滑筋細胞におけるギャップ結合の形成に影響をおよぼすか否かを、細胞組織学の観点で解析することを計画している。本年度は、性ステロイドホルモン濃度の変化がギャップ結合の形成に与える影響を、内因性のホルモンの影響を抑えた上で解析するために、ラットを去勢する手技の習得に努めた。具体的には、去勢後にホルモンを投与し、一定期間をおいた上で実験殺をおこない、胃・小腸・結腸を採取することを予定している為、去勢手術後、一週間ほどおいた上で実験殺を行い、消化管への去勢手術の影響を確認した。その結果、個体によっては開腹部位と消化管の間の癒着や、傷口からの脱腸などが観察された。今後、去勢手術の技術の向上を目指し、このような影響を出来る限り取り除いていきたいと考えている。また、ホルモンの影響による形態学的な変化を解析するための基礎資料として、健常なラットの消化管を用いて、条件設定や正常像の把握に努めた。電子顕微鏡的解析に関しては、固定条件等を整え、正常状態におけるICC間およびICCと平滑筋の間のギャップ結合の形成の様子を観察した。免疫組織化学的検討においては、ギャップ結合の構成タンパクであるコネキシン(特に、消化管に分布するタイプとして知られるコネキシン43および45)に対する抗体と、ICCで発現していることが知られているc-kitに対する抗体によって、ギャップ結合とICCを検出することを計画している。これまでのところ、正常像については、研究室の先行研究とほぼ同様の所見を得ており、手術材料を用いた本実験の基盤は、ほぼ整った段階にある。
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