2004 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞・血管平滑筋細胞からの血圧調節遺伝子の同定と創薬への応用
Project/Area Number |
16790416
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
中島 恵一 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70362150)
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Keywords | TGF-beta / 心筋細胞 / 血管平滑筋細胞 / BMP-4 / 血圧 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
TGF-betaスーパーファミリー等の細胞増殖因子の作用は多岐にわたり、細胞レベルでみると、増殖、分化、アポトーシスなどの調節を担っている。しかし、TGF-betaスーパーファミリーが心筋細胞・血管平滑筋細胞に作用して、その細胞の血圧調節に関わっているかどうかについて検討した研究は国内外において報告されていない。そこで以下の研究を行った。 (1)マウスにTGF-betaスーパーファミリーを静脈内投与し、血圧の変化を解析した。その結果、マウスにBMP-4を静脈内投与すると有意に血圧が上昇し、一方TGF-betaの静脈内投与の場合は血圧を低下させることが判明した。次にTGF-beta刺激による血圧上昇に関与する因子の発現誘導を細胞レベルで解析するために、培養細胞を用いた実験系の構築を行った。生後2-3日のマウスの心臓から初代培養心筋細胞を、7-8週令のマウスの大動脈より血管平滑筋細胞を単離した。TGF-betaを作用させた細胞と作用させていない細胞からtotal RNAを抽出し、サブトラクション法により特異的に発現している遺伝子を濃縮した。現在、そのcDNAライブラリーを構築中である。今後、構築したライブラリーから得られる遺伝子の解析を行う予定である。 (2)TGF-betaスーパーファミリーは他の増殖因子、ホルモンやサイトカインなどの刺激因子と相互作用することが知られているため、TGF-betaスーパーファミリーとの関連が示唆される刺激因子について、その作用を初代培養心筋細胞、血管平滑筋細胞について現在解析中である。特に細胞の収縮に関与することが知られている低分子量ストレスタンパク質は血管を収縮・弛緩させることにより、血圧の上昇下降に関与する可能性が高いため、代表的な低分子量ストレスタンパク質であるHSP27の発現誘導及び活性化について解析している。
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